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№14「ウエイトトレーニングを考える ~その3:これからの時代に骨トレを!~」

 ケアウイング曙 ストレングス&コンディショニングコラム

2021/08/24

前々回の「筋トレ」、前回の「代謝トレ」とウエイトトレーニングには様々な効果が期待できることをお話しました。
今回はその締めくくりとして「骨トレ」と題して、骨に与える効果をお話していきたいと思います。

【骨の新陳代謝】
骨は骨形成(新しい骨がつくられること)と骨吸収(古い骨が壊されること)をバランスよく行いその強度を維持しています。
骨密度の平均値は男女とも30歳前後をピークに加齢とともに減少するとされています。
つまり骨吸収のスピードが骨形成のスピードを上回って、骨が少しずつ脆くなっていきます。
そしてよく知られる骨粗鬆症へとつながっていきます。
骨粗鬆症は加齢以外にも様々な要因で起こるとされていますが、それらについてはまたの機会にお話しできればと思います。

【骨の強度】
骨の強さは骨の密度(骨密度)と骨の質で表されます。
簡単に言うと、骨の密度とは骨の硬さの指標となり、骨の質とは骨のしなやかさを意味します。
いろいろな動作を可能にするには硬い骨だけではダメなのです。
動きに合わせてしなやかにたわむことも、時に骨には必要な能力になります。
骨の密度と骨の質に関係のある栄養素を以下に挙げておきますので参考にしてください。
(骨の密度の維持)
  カルシウム ・・・ 言わずと知れた骨の主成分。カルシウムが骨に沈着することで骨は強度を増す。
  ビタミンD ・・・ 腸管からのカルシウムの吸収を促進し、吸収されにくいカルシウムを体内に取り込む
  ビタミンK ・・・ 骨にカルシウムが取り込まれるのを促したり、カルシウムが尿中に排泄されるのを防いだりする
  マグネシウム ・・・ 骨に取り込まれるカルシウムの量を調節する
  ※カルシウム、ビタミンD、ビタミンKは骨のゴールデン・トライアングルと呼ばれることもあります。
(骨の質を守る)
  タンパク質 ・・・ 骨のしなやかさ(弾力性)を支えるコラーゲンのもととなる
  ビタミンC、B6、B12、葉酸 ・・・ コラーゲン形成に重要

【骨を鍛える】
骨が徐々に脆くなるのは加齢現象の1つですが、これを予防する方法が食事と運動になります。
食事に関しては上記の栄養などを参考にしていただければと思います。
骨は刺激が入れば入るほど、またその刺激が強いほど強化されるとされています。
それが昨今言われている「骨を鍛えるために運動を!」となるわけです。
もちろん、入れば入るほどと言っても、回復を上回るスピードで刺激が入れば疲労が蓄積され疲労骨折や骨膜炎などの要因にもなります。
また骨の強さ以上の刺激が一度に加わると骨折などのケガにつながります。
そのため、刺激を入れる頻度や強さに関しては十分に気をつける必要があります。

【骨トレとは】
どのような運動でも骨トレになるかと言えば、そうではありません。
骨に刺激を入れる運動としてポイントになるのが 「重力に抵抗する」 ということです。
実際に、宇宙飛行士は宇宙から帰還した際に骨密度が平均で1か月あたり約1.0%低下していたという報告もあります。
これは一般的な骨粗鬆症などの骨の疾患を抱える方の10倍近い値になります。
また水泳選手の中には一般的な人に比べて骨密度の低い選手もいるという報告もあります。
これらのことからも骨トレとは骨に重力による負荷がかかることが必要だと言えます。

【例えばこんな運動】
骨に重力のかかる運動と言っても、そんなに難しく考えることはありません。
最も身近なものとしては、ウォーキングなどでも運動習慣のない人にとっては、良い骨トレになります。
さらに自体重だけの運動で強度を高める場合には、ランニングやジャンプトレーニングなどといったものも良いでしょう。
スクワットや腕立て伏せなど自体重だけでできるウエイトトレーニングもいつでもどこでも手軽にできる運動です。
またダンベルなどの重りを使う本格的なウエイトトレーニングなどは自体重以上の重力負荷がかかるため、より大きな効果が期待できます。
もちろん好きなスポーツ(サッカー、バレー、野球、バスケットボールなど)を楽しむことも、地球上でする限りは骨トレになりますね(笑)

【これからの時代だからこそ骨トレを!】
現代社会は移動では車や電車、仕事はパソコンの前に座りっぱなし、とにかく重力に抵抗することが減ってきています。
そしてこの傾向は今後も変わることはないでしょう。
だからこそ、あえて重力に抵抗することを日々の生活に取り入れていくことで、骨を鍛えていく必要があります。
どんなん良い筋肉の持ち主も、それを支える骨が弱ってしまうとその筋肉をきちんと使えません。
ケアウイング曙トレーニングセンターでは、自体重の運動をはじめダンベルなどを使った本格的なウエイトトレーニングなど、骨トレにもしっかりと対応したトレーニングが可能です。
骨トレにケアウイング曙トレーニングセンターでウエイトトレーニングをしてみてはませんか!!


健康運動指導士
CSCS
髙橋 大輔

飛翔会の整形外科クリニック


スポーツ支援活動実績