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転倒予防で介護いらず ~住環境編~

2011/09/21

 平成16年の厚生労働省の調査によると、介護が必要になった女性の主な原因の第3位に「骨折・転倒」が挙げられています。
 高齢者は、ちょっとした転倒などで骨折しやすく、骨折が原因でそのまま寝たきりになることも多い等、日常生活に大きな危険が潜んでいます。
そこで今回は、骨を強くし、転ばぬ先の杖になる方法をご紹介します。

 

 

まずは、骨について少し見ていきましょう。
突然ですが、私達の体は何個の骨で構成されているのか知っていますか?約200個の骨があり、その形や機能によっていくつかの種類に分類されています。骨には、いくつかの重要な役割があります。
 まず、1つ目に身体を支え、筋肉とともに運動を行うことです。私達の身体から骨が無くなった状態を想像してみてください。立つことも座ることもきっと出来ないでしょう。
 2つ目には臓器を保護する働きです。
 3つ目にカルシウムやリンなどの貯蔵庫としての働きです。身体の多くの機関が正しく機能するためにはカルシウムが必要で、血液と骨組織の間で絶えずカルシウムの交換が行われています。また、骨の内部は血液細胞の産生の場でもあります。

 このように、大切な働きを持つ骨は年齢を重ねていくとどうして骨折しやすくなるのでしょう。
その背景には「骨粗鬆症」という骨の病気が潜んでいます。
骨粗鬆症とは、皆さんご存のように骨の内部の構造が変化し、スカスカになった状態で、全身の骨が非常にもろくなっていく病気です。そのため、簡単に骨折しやすくなるのです。


「住環境の見直しから始めよう♪」
 
高齢になってくると、筋力や身体のバランスを保つ能力が衰えたり、視力が低下してくるなど様々な要因が重なって、日常の何気ない場面での転倒が起こりやすくなります。
実は、転倒事故の半数が住み慣れた自宅の中で起こっているのです。例えば、敷居のちょっとした段差につまづいて転倒したというケースが少なくありません。

 毎日生活している空間が突然、危険な空間へと変わることもあるのです。皆さん、ご自宅を想像してみてください。右の絵のような状態ではありませんか?このような状態のお部屋では、つまづき転倒する可能性があります。
 
すぐに、お部屋の片づけが必要ですね^^
 

さらに、簡単に出来る転ばぬ先の杖になる工夫を見ていきましょう。
 

  • 階段には手すりをつけ、最上段と最下段に目印のテープを貼る。

  • 敷居などの段差にはスロープをつける。

  • トイレ、浴室にも手すりをつけ、スロープや「すのこ」などでできるだけ段差をなくす。

  • 電気のコード、座布団、新聞、本などにつまずいたりしないよう、家の中を片付ける。

  • 着物やすその長い服を着たときは、足元に特に注意する 。

  • サンダル、ぞうり、下駄などはつまずきやすいので特に気をつける。


 
 

次回は骨を強くする食事の摂り方を考えていきます。
それでは、ご自分の生活習慣を見直して、転ばぬ先の杖になる方法を実践してみてください☆
保健師: 下岡 果林

飛翔会の整形外科クリニック


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