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ストレングス&コンディショニングコラム《ストレングス&コンディショニングコラム》

№3「体幹トレーニングしていますか?」

2020/09/24

今回は「体幹」のお話です。
体幹のトレーニングをするときの1つの目安になればと思います。
(今回は概念的な話が中心で、体幹エクササイズの紹介はありません。)

このコラムを読んでいる方はもちろんですが、「体幹」という言葉自体は、もうすっかり市民権を得た感じがありますね。
私がトレーニング指導をしている一般の方をはじめ、スポーツをしている学生などからも、頻繁に「体幹トレーニング教えてください」とか「どんな体幹トレーニングをしたら良いですか?」と言った声を聞きます。
そのような質問にお答えするときに、私が最初にお伝えして、体感してもらうことがあります。

「体幹ってどんな働きをしているでしょうか?」
まずはこの質問を投げかけます。答えが返ってくることもあれば、ない時もあります。
質問が漠然としすぎて「何て答えていいやら」って困っているのかもしれませんね(笑)。
次に仰向けで大の字になって寝ころんでもらいます。
そして「肘と膝を伸ばしたまま床から5㎝くらい浮かせてキープしてください。せーのハイ!」と誘導します(大の字キープ)。
表情を変えることなく楽々手足をキープできる人もいれば、2~3秒で下してしまう人、腰や股関節、肩などに痛みを感じる人などなど反応は様々です。
そしてこの反応によって、個々の体幹トレーニングのスタート地点を変えていきます。

「手足を支持して、手足の自由な動きをサポートする」これが体幹の重要な役割の1つです。
先述で行った大の字キープは、まさに「体幹で手足を支持する」という役割に焦点を当てた簡易的なチェック方法になります。
大の字キープを行った方のおおくは、自分の脚の重さにびっくりされます。
「足を持ち上げることはできてもキープは難しい」とおっしゃられる方もいます。
実際に大の字キープやって確かめてみていただくことをお勧めします(下の写真を参考)。

体幹の役割をイメージしてもらうため分かりやすいのは、生後2~4ヶ月の赤ちゃんではないでしょうか。
この時期の赤ちゃんは仰向けで寝ころんで、お腹がすいたら泣いて、ウンチやおしっこでオムツが汚れたら泣いて、を繰り返しています。
そして、仰向けのまま「手」と「足」をバタバタとさせています(ここがポイントです!)。
何もできない赤ちゃんが仰向けになって手足を浮かせてバタバタしている。

大の字キープを体感していただいた方なら想像がつくと思いますが、仰向けで手足を空中に浮かせると、体幹に刺激が入ってきますよね。
つまりこの手足バタバタが赤ちゃんにとっては、体幹で手足を支持して、その後につながる体位変換(うつ伏せや座位、立位などへの)や、それに伴う手足を自由に操作するといったことにつながる、生まれて初めての体幹トレーニングになるのです。

たくさんの体幹トレーニングが世の中にはあります。
体幹の役割を基準にエクササイズを選んでいくのも、1つの良い方法かもしれませんね!



【大の字キープ】

図1

目的:体幹で手足を支持する能力を調べる
方法:手足を地面から5~10㎝浮かせてキープ
目安:60秒以上楽にキープできる→非常に強い
   30~60秒楽にキープできる→強い
   10~30秒楽にキープできる→普通
   10秒キープするのもきつい→注意
※1痛みが出る場合はすぐにやめましょう
※2手足だけでは楽な人は頭も浮かせてみましょう




飛翔会グループでは「発育・発達」にもとづくリハビリトレーニングや機能改善エクササイズを積極的に取り入れ、痛みの軽減や改善、アスリートの競技への早期復帰をサポートしています。

健康運動指導士
髙橋 大輔

飛翔会の整形外科クリニック


スポーツ支援活動実績 物販事業