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お知らせ
No.6「肉離れ・コムラ返りは食生活から起こる?」(2025年版アップデート)
2025/07/16
私が最も長くかかわっているサッカーからとりあげます。
やはりサッカー選手なら誰でも一度は経験したことのある「コムラ返り」についてご紹介します。
「足が攣る」と俗に言うコムラ返りは、ふくらはぎの筋肉が痙攣を起こすことです。
プロやトップレベルのアマチュアだけでなく、少年や一般のプレイヤーにもよく起こります。
ひどい場合は肉離れにもつながりますので、決して甘く見てはいけません。
実際によく足が攣る選手というのは決まっているようです。
昔はよく足が攣る選手は「トレーニングが不足しているから攣るんだ」と怒られたものです。
しかしよく攣る原因は、果たして筋肉だけなのでしょうか。
私はコムラ返りの原因は、筋力よりむしろ、筋肉を有効に働かせる身体の方にあると考えています。
足が攣りやすい選手には、このような傾向があると思われます。
(1)関節や筋肉に柔軟性のない選手
(2)練習や試合の前後にストレッチを十分にしない選手
(3)練習や試合前後にきちんと水分補給をしない選手
(4)食生活のバランスが悪い選手
(1)から(3)が毎日のトレーニングで注意すれば十分予防できます。
むしろ私が強調したいのは(4)です。
【補足1 食生活・電解質補給】
近年の研究では、コムラ返りや筋痙攣の主因として電解質(ナトリウム・カリウム・カルシウム・マグネシウム)不足が直接的に関与していることが明確になっています。
単なる水分補給ではなく、スポーツドリンクや経口補水液による電解質補給が重要です。
また、糖質制限型ダイエットによるグリコーゲン不足が、筋疲労と痙攣を引き起こしやすいことも指摘されています。極端な食事制限は避け、適切な栄養補給を心がけましょう。
現代は欧米風の食生活が普及していますが、高カロリー高脂肪のため結果として筋肉が硬くなりがちです。
また炭酸飲料などによる糖分の摂り過ぎや、朝食抜き、あるいは食事を袋菓子などのジャンクフードで済ませたりといった偏った食生活も原因となります。
筋肉は使われることにより乳酸が溜まります。食生活が乱れると電解質のバランスが崩れ、
その結果乳酸の排出が悪くなって、疲労が回復せず痙攣につながるのです。
【補足2 乳酸と代謝回復】
近年では、「乳酸の蓄積」が筋疲労の直接原因ではないことが判明しています。
しかし代謝回復とエネルギー補給は依然重要です。
ビタミンB群やクエン酸を含む食事が代謝回復に有効とされます。
クエン酸は柑橘類に豊富で、特にオレンジやレモンから自然に摂取することが推奨されています。
コムラ返り、肉離れは現代の子供に非常に増えました。
昔と比べて子供達の体格値は上がっていますが体力値は逆に下がっており、特に柔軟性に欠けている傾向があります。
文明の発達や食生活の欧米化も影響しているのかも知れません。
筋肉の疲労を和らげ、エネルギーを蓄え、身体に柔軟性を持たせるのにおすすめなのが、
朝食時にオレンジジュースです。
オレンジに含まれるクエン酸が身体に柔軟性を持たせ、筋肉にエネルギーの源であるグリコーゲンを蓄えやすくして、疲労を和らげます。
ホテルの朝食バイキングなどでもよくオレンジジュースが用意されていますが、ちゃんとした意味があるようです。
オレンジがなければ果物なら何でも良いのですが、栄養素から考えて柑橘系がベストでしょう。
【補足3 オレンジジュース・栄養指導】
当院では、栄養指導や医療用サプリメントのご案内も行っています。
食生活改善が難しい選手には、経口補水液の選び方やスポーツ向けサプリメント活用方法なども個別にアドバイスしています。詳しくは診療時にご相談ください。市販されているサプリメントももちろん効果がありますが、まずは日常の食事でビタミンやカルシウムなど、スポーツに必要な栄養素を摂ることを意識したいものです。
スポーツドクターコラムは整形外科医師 寛田クリニック院長 寛田 司が
スポーツ医療、スポーツ障害の症状、治療について分かりやすく解説します。

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