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【蔵本達也のドイツ社会人留学リポート】Vol.46 フランクフルト少年サッカー大会に帯同
2026/07/21
今年も毎年恒例となっているフランクフルト少年サッカー大会に、ブリュッセルU-12チームのコーチ兼、大会理学療法士として帯同させていただきました。今年でこの大会への参加は4回目になります。この大会はヨーロッパ各国に住む日本人やダブルの子どもたちを対象に開催されており、毎年多くの選手たちが集まります。サッカーのレベルはもちろんですが、普段はそれぞれ違う国で生活している子どもたちが、日本という共通のルーツを通じて交流できる、とても価値のある大会です。年々参加チームも増え、大会の規模やレベルも少しずつ上がってきていることを実感しています。
今年のU-12カテゴリーには、イギリス・ロンドン、ドイツ(デュッセルドルフ、フランクフルト、ミュンヘン)、ベルギー・ブリュッセル、フランス・パリ、そしてユーロセレクションなど、ヨーロッパ各国からチームが参加しました。それぞれの国で育った子どもたちが集まり、普段は経験できないような試合を繰り広げることができるのも、この大会ならではの魅力だと思います。
また、この大会で選ばれた優秀選手は、今年10月にスペイン・バルセロナで開催される国際大会へ日本代表選抜として参加します。私自身も今年もU-12のコーチ兼チーム理学療法士として帯同することが決まっています。一昨年、昨年と2年連続で優勝することができたため、今年は三連覇を目指して挑戦します。世界中から強豪チームが集まる大会ですが、選手たちには思い切ってプレーし、大きく成長してほしいと思っています。
中学生大会(7月4日)
大会初日は中学生カテゴリーが開催されました。
私は担当チームを持たず、大会理学療法士として選手のコンディション管理や怪我への対応を行いました。今年も非常にレベルの高い選手が多く参加しており、中にはパリ・サンジェルマンの下部組織に所属している選手も参加していたようです。ヨーロッパのトップレベルの育成環境でプレーしている選手の技術や判断力、プレースピードを間近で見ることができ、とても刺激を受けました。大きな怪我をする選手もなく、大会を終えることができたことは、大会理学療法士として何より嬉しく思います。
小学生大会(7月5日)
翌日は小学生カテゴリーが開催され、私はブリュッセルU-12チームのコーチとしてベンチに入りました。同時に大会理学療法士として、怪我をした選手の対応も行いました。
今回対応した選手は2名でした。
1人は親指を負傷した選手で、状態を確認した上でテーピングを施し試合に復帰しました。
もう1人はプレー中にふくらはぎを痛めた選手でした。まず最初にアキレス腱断裂の可能性がないか評価を行い、幸い断裂は認められなかったため、筋損傷と判断し、テーピングを行って対応しました。試合中は限られた時間の中で正確に評価し、適切な判断をすることが求められます。改めて理学療法士としての責任の大きさを感じた場面でもありました。
さて試合の結果ですが、ブリュッセルチームの最終順位は10チーム中7位でした。
結果だけを見ると決して満足できるものではありません。しかし、試合内容を見ると、どのチームとも大きな実力差があったわけではありませんでした。予選ではあと一歩のところで勝ち切れず、上位トーナメント進出を逃してしまいました。勝負どころでの判断や球際の強さ、最後の一歩の粘り強さ。技術だけではない部分で差が出たように感じました。
一方で、下位トーナメントでは最後まで気持ちを切らすことなく戦い、一度も負けることなく大会を終えることができました。順位決定戦だからと気持ちを落とすのではなく、一試合一試合を全力で戦い抜いた姿勢は、選手たちの成長を感じられる部分でもありました。しかし、大会終了後の選手たちの表情は、とても悔しそうでした。その悔しさを感じられることは決して悪いことではありません。むしろ、本気で勝ちたいと思っていたからこそ生まれた感情だと思います。この悔しさを忘れず、次の練習や日々の取り組みに活かしてくれることを期待しています。
今回、ブリュッセルチームからは1名が優秀選手に選ばれ、10月に行われるバルセロナ世界大会への切符を掴みました。本当におめでとうございます。世界を相手にどこまで成長した姿を見せてくれるのか、とても楽しみにしています。
今回の大会では、私自身が意識して取り組んだことがあります。それは、できるだけ選手たち自身で考える時間を作ることです。試合の合間やハーフタイムのミーティングでは、私が一方的に指示を出すのではなく、「何が良くなかったと思う?」「どうすればもっと良くなる?」と問いかけ、選手同士で話し合う時間を増やしました。もちろん最初は上手くまとまらない場面もありました。しかし、自分たちで考え、仲間と意見を出し合い、答えを見つけようとすること自体が大きな成長につながると私は考えています。実際にピッチでプレーするのは選手たちです。だからこそ、自分で状況を判断し、解決できる選手になってほしい。そのために私は答えを教えるのではなく、考えるためのヒントを与える存在でありたいと思っています。
今回の大会を通して改めて感じたことがあります。ブリュッセルでのチーム練習は週に1回です。その限られた時間だけでは、ライバルとの差を埋めることは簡単ではありません。だからこそ、自宅でボールを触る時間を作ること、リフティングや基礎練習を続けること、そして身体づくりを継続することが大切です。
私は理学療法士として、多くのプロサッカー選手の身体をサポートしてきました。その中で感じるのは、トップ選手ほど「基礎」を大切にしているということです。姿勢、体幹の安定性、柔軟性、バランス能力、身体の使い方。これらは怪我の予防だけではなく、プレーの質を高めるためにも欠かせない要素です。
ジュニア年代だからこそ、正しい身体の使い方を身につけることで、将来大きく成長する可能性が広がります。試合当日のテーピングやケアだけでは限界があります。日々の積み重ねこそが、自分自身を強くし、結果として怪我の予防やパフォーマンス向上につながります。
最後に
今回も大きな事故や重傷者がなく、大会を終えることができたことを嬉しく思います。また、このような素晴らしい大会を運営してくださったスタッフの皆様、支えてくださった保護者の皆様に心より感謝申し上げます。コーチとしては悔しさの残る結果でしたが、それ以上に選手たちの成長を感じることができた2日間でした。
10月には、いよいよスペイン・バルセロナで世界大会が開催されます。
一昨年、昨年と続いている優勝を今年も勝ち取り、三連覇を目指して挑戦します。もちろん勝つことも大切ですが、それ以上に世界の選手たちと真剣勝負を経験し、一人ひとりがサッカー選手として、そして人として大きく成長できる大会になればと思っています。私もコーチとして、そして理学療法士として、選手たちが最高のパフォーマンスを発揮できるよう全力でサポートしていきます。10月のバルセロナで、さらに成長した選手たちと世界に挑戦できることを今から楽しみにしています。




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