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スポーツドクターコラム《スポーツドクターコラム》

No.5「一般選手もメディカルチェック」

2004/04/01

メディカルチェック



今回はスポーツで起こる様々なケガや病気を解説していきます。
具体的な症状について触れる前に、まずは全ての疾病の発見のおよび予防、そして競技力向上のために鍛える必要がある箇所の発見に役立つ「メディカルチェック」についてご説明したいと思います。 

メディカルチェックの目的は大きく分けて3つあります。
まずは「その競技が出来る身体かどうか」を内科検診で、加えて「その競技を続けて障害が起きないかどうか」を整形外科検診で、さらに「その競技が向いているかどうか」を体力測定にてチェックします。  当然チェックは競技特性を考えて行わなければなりません。サッカーなどではポジションによって使う筋肉や運動の質も違ってくるため、細かく言えばポジション特性という事も考える必要があります。チェックの結果を参考にFWからサイドバックへ、センターバックからボランチへといったコンバートが行われることも実際によくあります。  
内科検診では、血液検査、尿検査、安静時と負荷を掛けたときでの心電図測定などを行います。
去年のコンフェデレーションズカップや先日のポルトガルリーグで、選手が試合中に心臓発作で倒れそのまま死亡した痛ましい事故がありました。
Jリーグのメディカルチェックで心臓に疾患が発見された選手が、アマチュアに戻っての試合中に発作で亡くなった事例もあります。  心臓以外でも癌などの重大な疾患が発見されることもあります。
試合中によく倒れるあるチームの選手の倒れ方や様子を見て、相手チーム側の私が念のため検査を勧めたら、脳腫瘍が発見されたということもあります。  

整形外科検診では、骨や関節の状態、筋肉の性質、体格をチェックします。各競技特有の障害についての早期発見、早期治療が容易になる利点があります。

体力測定では、脚筋力、上肢の筋力、腹筋や背筋の筋力を測定します。その数値でプレーヤーとしての適正が判断できます。  
Jリーグでは年1回の選手登録の際にトップ、ユースともメディカルチェックが義務付けられています。しかし我々飛翔会グループでは学校の部活動などメディカルチェックを勧め、実施しています。内科検診は薬品や機器使用などのコストがかかりますが、整形外科検診や体力即手では材料費がほとんどかからないものばかりなので、費用もできる限り抑えることが出来ます。  
また整形外科検診や体力測定は指導者側にある程度知識があれば自分達でも十分できるものなので、飛翔会では希望されるチームへの指導も行っています。





スポーツドクターコラムは整形外科医師 寛田クリニック院長 寛田 司スポーツ医療スポーツ障害症状治療について分りやすく解説します。


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