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「プログラム作成の基礎知識」 大石 博暁

 ストレングス&コンディショニングコラム

2011/08/19

プログラム作成の基礎知識


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トレーニング効果は、プログラムの内容によって大きく変わってきます。より高い効果を得るためにも、プログラムを作成するときは、エクササイズの分類、配列、負荷、回数、セット数、インターバルの時間、動作スピード、トレーニング頻度、期分けなどを考慮に入れるようにしましょう。
まずエクササイズの分類ですが、トレーニングの目的に応じて、以下の3つに分けられます。

  1. 主要エクササイズ…身体運動の原動力となる大筋群(脚部、腹部、背部、胸部)を強化することを目的に実施される基本動作

  2. 補助エクササイズ…主要エクササイズで鍛えた大筋群が効率よく動くための補助的な動きに関わる動作

  3. 専門的エクササイズ…個人特有のニーズに応じて、弱点克服や競技特性に応じた動作


さらにエクササイズを関節の数で分類すると、スクワットのように股関節や膝関節など複数の関節を使う多関節エクササイズと、椅子に座った状態で足を伸ばすレッグエクステンションのように、1つの関節しか使わない単関節エクササイズに分けられます。単関節エクササイズばかりでは体の動作に協調性が生まれないため、多関節のものと合わせてバランスよくトレーニングを行いましょう。

エクササイズの配列ですが、先に行った種目の方が高いトレーニング効果が期待できるため、補助エクササイズよりも、主要エクササイズと専門性エクササイズを先に行います。また、1つの関節に大きな力のかかる単関節エクササイズよりも、多関節エクササイズを先に行いましょう。エクササイズは大筋群を鍛えた後、小筋群を鍛えるのが基本です。小さな筋肉は疲労が早いため、先に鍛えてしまうと大きな筋肉まで刺激が届かなくなるのです。力は体の中心から末端に向かって伝わることもあり、大筋群から鍛えた方が刺激の伝わりもよくなります。
腹筋や背筋という姿勢支持筋に関わるエクササイズは、一番最後に行いましょう。体幹の支持に関わる筋肉を先に鍛えると、疲労から姿勢を保持できなくなってしまいます。その状態でスクワットなどを行うと怪我につながるため危険です。
トレーニングの目的に応じて、負荷設定も変わってきます。目安としては、初心者がフォーム習得のためにトレーニングを行うときは、容易に反復できる重さで10~15回。筋の持久力を高めるためには、20~30回反復可能な重量で20回を、30秒以内の休息をとりながら2~3セット。筋肥大が目的の場合は、8~12回反復可能な重量で限界まで、30~90秒の休息をとりながら3セット以上。筋力向上のためには、3~8回反復可能な重量で3~5回、最大のスピードで行う、というような設定を立てることができます。

ただ、トレーニングは数をこなせばいいわけではありません。筋肉が発達するのは疲労から回復するときなのです。この超回復の時期に次のトレーニングを始めれば筋力は向上しますが、回復の途中で次のトレーニングを始めると、オーバーワークで逆に低下してしまうこともあります。大きな筋肉になればなるほど疲労の回復は遅くなります(ただし、腹筋を除く)から、同じ部位を鍛える場合は、1~3日程度の時間をおくようにしましょう。

休息と同様に大切なのが、栄養補給です。筋肉の回復を助けるタンパク質(肉、魚介類、卵、乳製品、大豆製品)の摂取は欠かせません。トレーニングの直後に牛乳を飲むのは効果的です。しかし、タンパク質は消化吸収効率があまりよくないため、こまめに補給してください。

ストレングスコンディショニングコラムは元男子バレーボール日本代表フィジカルコーチ 大石 博暁を始めとした、

飛翔会グループの経験豊富なスタッフが、
トレーニングについて分りやすく解説します。



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