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第二期「トレーニングだけでなく全身のバランスも重要となるパワー」

 ストレングス&コンディショニングコラム

2013/07/19

全身のバランス



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3号に分けて取り上げてきたウエイトトレーニングの最終回となる今号は『パワー』について紹介したい。一般的に『パワー=筋力』と思われがちだが、スポーツの世界で言う『パワー』とは「強い力を素早く発揮する力」のことであり、『パワー=筋力×スピード』なのだ。

過去2回で紹介してきたトレーニング法によって筋力は向上する。しかし、実際にスポーツや運動を行うときに必要となってくるのは『パワー』である。たとえ、いくら筋力を向上させることができたとしてもスピードが遅くては意味がない。高めた筋力をいかに早く発揮させることができるかが重要で、そのためのトレーニングを行わなければならない。パワーを向上させる典型的なトレーニング法としてオリンピックリフトやプライオメトリクスといったものが挙げられるが、高橋トレーナーは「目的と動作に合ったトレーニングを行うことが重要」と話す。力が働く方向や発揮する時間は、各競技内容や選手のプレースタイルによっても異なるため、パワーを発揮するのは「どのような動作なのか」を把握し、その動きに合ったトレーニングを行うことが効果を最大限得るためにも大切だ。

また、トレーニングを行う上で「腰の安定性」も重要なポイントとして挙げられる。高橋トレーナーは「軸(腰)がしっかりとしていなければ力は正確に伝わらず、スピードも上がらない」と話す。てこの原理で支点がしっかりと固定されなければ作用しないように、私たちの体もそれぞれの関節ごとに安定性や可動性が必要である。これらがバランス良く保たれ、且つ関節間でしっかりとした連続性のある動きが作られれば力も正しく伝わり、パワーにも繋がってくる。前回も触れたようにトレーニングフォームが非常に重要だということが分かるだろう。

パワー強化は基本的に実戦へ向けた最終段階として行われることが多い。しかし、高校生などのように1年を通して大会が行われ、コンディションのピークを一定の時期に合わせられないときには、特定の時期にパワーに重点を置いたトレーニングを行えないため、筋力強化と並行してパワー強化を行うなどトレーニングメニューにも工夫が必要となってくる。

ここまでにいくつかのトレーニング法について紹介してきたが、ウエイトトレーニングはあくまでも自らの可能性を最大限引き出すための土台作りのために行うものであり、パフォーマンスの向上に直結するものではない。だが、競技内容や特性、人間の体の動きや構造などを把握した上で土台を形成することができれば、その力を十分に実戦で生かすことが可能なのだ。





ストレングスコンディショニングコラムは元男子バレーボール日本代表フィジカルコーチ 大石 博暁を始めとした、
飛翔会グループの経験豊富なスタッフが、
トレーニングについて分りやすく解説します。

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