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【蔵本達也のドイツ社会人留学リポート】Vol.44 ドイツで築く現場 ― 人を診て、人を支える仕事 ~小さな回復が教えてくれる、大きな意味~

2026/05/21


ドイツでの生活も長くなり、日々の仕事や人との関わりの中で感じることが少しずつ増えてきました。今回は、現在私がドイツでどのような仕事をしているのか、そしてその現場で大切にしている想いについて書いてみたいと思います。
現在私は、雇われという立場ではありますが、一人でスタジオを運営しております。施術やトレーニングの提供だけではなく、集客のための広告作成や宣伝活動なども自分自身で行っています。表から見える仕事は施術やトレーニングかもしれませんが、その裏側には準備や企画、運営など、多くの時間と努力があります。
私が提供しているサービスは大きく分けて「施術」と「トレーニング」です。
施術では、オステオパシー、筋膜リリース、そしてSpainDynamicsなどの手技を用いながら、その方の身体の状態に合わせたアプローチを行っています。痛みの軽減や可動域の改善、身体の使いやすさを引き出すことを目的とし、出張施術にも対応しております。
一方、トレーニングに関しては非常に幅広く対応しています。ウェイトトレーニング、自重トレーニング、ファンクショナルトレーニング、マットピラティスなど、身体の細かな動きまで意識した内容を提供しております。
コースも目的別にいくつか設けています。マンツーマンで細かく指導するパーソナルトレーニング、主婦の方々を対象とした3〜5名の少人数制グループトレーニング、ご夫婦で取り組めるペアトレーニング、そしてジュニアアスリート向けのジュニアグループトレーニングなど、それぞれの目標や生活背景に合わせて対応しております。
トレーニングを提供する中で感じるのは、「正解は一つではない」ということです。
マシンを使った方が安心できる方もいれば、自重トレーニングを好まれる方もいます。ダンベルを使ったほうがモチベーションが上がる方もいれば、細かな動きを丁寧に練習したい方もいます。当然ながら、目指す身体や運動レベルも皆様それぞれ異なります。
難しいことばかり求めてしまえば継続は難しくなりますし、反対に簡単すぎても物足りなさを感じてしまいます。そのため私は、「分かりやすく、丁寧に、そして少し挑戦できるレベル」を意識しています。道具を取り入れたり、楽しさや面白さを加えたりしながら、ただ運動をこなすのではなく、「また来たい」「身体を動かすことが楽しい」と思っていただける時間づくりを大切にしています。
もちろん、プロとして動作エラーやフォームの確認は欠かしません。安全性を守りながら、身体の使い方を細かく見ていくことも私の役割です。
施術についても同じことが言えます。
私は施術を行う際、ロジカルであること、そして専門的な内容でも分かりやすく説明することを大切にしています。しかし最終的には、やはり結果が重要です。
痛みが減るのか。可動域が広がるのか。身体が動きやすくなるのか。
結局のところ、どれだけ身体を評価できるかが重要だと感じています。評価があってこその施術テクニックであり、動きを見て、人を見て、身体の状態を把握する。その積み重ねが結果につながります。
だからこそ私は、「教科書通り」だけでは足りないと感じています。
同じ肩の痛みでも、仕事も生活環境も性格も違います。人にはそれぞれの背景があり、求めているものも異なります。
身体だけを見るのではなく、その人自身を見る。その方のキャラクターや生活背景、価値観まで理解しようとした上で施術やトレーニングを提供すること。それが本当に必要なサポートにつながるのではないかと感じています。
最近ではありがたいことにお客様も増えてきました。しかし、最初から順調だったわけではありません。
思うように集客できず、不安になることもありました。広告を試行錯誤しながら作り、何が伝わるのか、どんなサービスが求められているのかを考え続ける日々でした。
その経験を通して感じていることがあります。
施術やトレーニングの技術だけでは、クライアント様は増えないということです。
もちろん技術や知識は必要です。しかしそれだけではなく、人間力、人柄、思いやり、そしてコミュニケーション能力が非常に大切だと感じています。
「この人に任せたい」
「この人なら話せる」
そう思っていただける関係性があってこそ、継続的なサポートにつながるのだと思います。
グループトレーニングでも同じです。
何のために行うのか。
体力をつけて日常生活を楽にするためなのか。慢性疼痛の予防なのか。姿勢改善なのか。
目的を明確にした上で、どのレベルで、どのような内容を提供するかを考えています。そしてそこに楽しさを加え、継続できる環境を作ることも大切にしています。

中枢疾患のクライアント様との時間
最近、特に心に残っているのが中枢疾患(左半身麻痺)のクライアント様との関わりです。
私の専門分野は整形領域ですが、ご縁があり中枢疾患を抱える方の運動サポートにも関わらせていただいています。専門ではないからこそ、毎回勉強であり、試行錯誤の連続です。
それでも、その時間の中には言葉にできないほど大きな喜びがあります。
先日、これまで難しかった床からの立ち上がりがスムーズにできた瞬間がありました。また、階段昇降も以前より自然に行えるようになってきました。
その姿を見た時、正直に申し上げると、涙が出そうになるほど感動しました。
小さな変化かもしれません。しかし、ご本人にとっては日常生活そのものにつながる大きな一歩です。この仕事をしていると、「誰かのために役立てた」と感じられる瞬間があります。
毎回新しい発見があり、小さな変化に気づける。そしてその変化が、クライアント様の前向きな気持ちにつながっていきます。その時間は、私自身にとっても大きな学びであり、前向きになれる時間です。ドイツで働く毎日は決して簡単なことばかりではありません。それでも、人と向き合い、その方の人生の一部に関わらせていただけるこの仕事に、改めてやりがいを感じています。
これからも一人ひとりと丁寧に向き合いながら、身体だけではなく、その人自身を支えられる存在でありたいと思っています。




飛翔会の整形外科クリニック


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