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ゼロポジションの画像診断と肩内外旋筋力比の比較検討

 学会・講演会のご報告

2005/09/02

演者/津野泰介、奥田香子、今田岳男、寛田 司
会期/平成17年9月2日(金)、3日(土)
会場/東京ベイホテル東急

[目的]本研究では、一般に定義されているゼロポジションと主観的安楽挙上肢位(以下安楽挙上位)の相違が、肩内外旋筋力との関係について単純X線を用いて比較検討した。

[方法]本研究について説明を受け同意を得た肩関節障害を有さない健常成人8名を対象とした。平均年齢は25.9±2.5歳。安楽挙上位を被験者自身にとらせ、X線入射角は関節窩に対して垂直で20°の上方入射にて撮影した。等速性回旋筋力の測定はBIODEXを用い、肩甲骨面外転45°、角速度180°/秒にて内外旋筋力を測定し、内外旋筋力比を算出した。X線上で肩甲骨長軸の肩甲棘と関節窩中央を結んだ線と、上腕骨長軸が一致したもの(A群)、肩甲骨長軸延長線より上腕骨長軸が末梢側にて上方に位置するもの(B群),下方に位置するもの(C群)の3群に分類し、各群間の肩内外旋筋力比を比較検討した。

[成績]肩内外旋筋力比は、A群平均53.6%、B群平均41.8%、C群平均39.3%であった。A群がB・C群より有意に高値を示し、またB群がC群より高値を示した。

[結論]A群・B群・C群の3群に分類した中で、ゼロポジションの軸に近いほど、肩内外旋筋力比が大きいという特徴があった。以上のことより、肩内外旋筋力のアンバランスが、日常で繰り返し肩関節周囲組織へのメカニカルストレスを加えていることが示唆された。このことから、単純X線による安楽挙上位の評価は肩関節にかかるストレス及び、肩内外旋筋力のアンバランスを示唆する指標になり得ると考えられた。

飛翔会の整形外科クリニック


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