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【蔵本達也のドイツ社会人留学リポート】Vol.37 税金クラスの変更と、Football Cup Barcelona 2025 帯同レポート
2025/10/22
皆さんこんにちは。
ドイツはすっかり秋も深まり、朝晩の冷え込みが厳しくなってきました。街のショーウィンドウには早くもクリスマスグッズが並び、グリューワイン(ホットワイン)の香りが漂い始めています。こうした雰囲気になると、「もう年末か…」と毎年のように感じますね。
○ドイツの税金クラス変更、ついに完了しました。
さて、今回は少し生活に関わる話からしたいと思います。
このたび、ようやく税務署での手続きが完了し、私の税金クラス(Steuerklasse)を1から3に変更することができました。
この「税金クラス」という制度は、ドイツで働く人にとって非常に重要で、手取りの金額に大きく関わってきます。ドイツでは、給与所得者の税金が6つの「Steuerklasse(税金クラス)」に分けられています。たとえば、独身者はクラス1、ひとり親の方はクラス2、結婚していて配偶者が働いていない場合はクラス3、共働きで収入がほぼ同じ場合はクラス4、そしてクラス5は、クラス3を選んだ夫婦のもう一方のパートナーが選ぶクラスになります。最後に、クラス6は複数の仕事を掛け持ちしている人向けで、税率が最も高く設定されています。
私はこれまで独身者用のクラス1で課税されていましたが、結婚後も変更手続きをしていなかったため、少し損をしていました。今回ようやく妻がドイツに移住したので、クラス3への変更が完了したことで、大幅な減税(つまり手取りの増加)が見込めます。
クラス3は、夫婦のうち片方が収入を得ていない、もしくはミニジョブ(非課税の簡易雇用)で働いている場合に最も有利になる仕組みです。逆に、夫婦ともに同程度の収入がある場合は、クラス4と4の組み合わせがバランスの取れた選択となります。
○手続きの流れ
手続き自体は少し手間がかかります。
まず、市役所(Bürgerbüro)に行き、結婚証明書(日本の戸籍謄本)とそのドイツ語翻訳を提出して婚姻関係を登録します。
その後、税務署(Finanzamt)へ出向き、税金クラス変更の申請を行えば完了です。地域によってはオンラインでもできますが、私は窓口で直接行いました。
申請から数週間ほどで新しいクラスが反映され、給与明細(Lohnabrechnung)の税金額が変わってきます。
この制度を理解していないと、数百ユーロ単位で損をしてしまうこともあります。特にドイツで長く働く方や、結婚・離婚・出産など生活環境が変わった方は、税金クラスの確認を一度しておくことを強くおすすめします。
○Football Cup Barcelona 2025 帯同レポート
さて、ここからは仕事の話に移ります。
今回は、EU Japan 選抜の理学療法士兼チームコーチとして、2025年10月17日〜19日にスペイン・バルセロナで開催された「Football Cup Barcelona」に帯同しました。
前回大会はオランダ遠征に参加させていただきましたが、今回でありがたいことに4回目の帯同となりました。
この大会は、ヨーロッパに住む日本人選手(U-10、U-12、U-14)を選抜して編成されたEU Japan選抜チームが、各国のクラブチームと国際試合を行う大会です。選考基準は毎年同じで、夏に行われる日本人少年サッカー大会「EURO-J」の優秀選手が対象となっています。
今回、私はU-12チームの理学療法士兼コーチとして帯同しました。理学療法士としては、怪我や体調不良への対応、テーピング、ウォーミングアップやクールダウンのサポートを担当し、コーチとしては守備戦術やポジショニングの指導を行いました。
○大会レポート
大会はスペイン・バルセロナで開催され、イングランド、アイルランド、スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、ブラジル、スコットランドなど、多くの国のチームが参加していました。
非常にレベルの高い国際大会で、選手たちにとっても大きな経験になったと思います。
初日は現地に到着後、軽い調整とチーム練習を行いました。ウォーミングアップの後にポゼッション練習を中心に行い、最後は15分×2本の紅白戦で締めました。
初日の練習では、緊張からか動きが硬く、パスのテンポや声かけの面で課題が見られましたが、その後の夜のミーティングで試合映像を分析し、選手同士で意見を出し合うことで、チームとしてのまとまりが見えてきました。
大会1日目は3試合を行い、
1試合目はイングランドのWessex Sportsに3-1で勝利。
2試合目はアイルランドのSt Brendan’s Parkに2-0で勝利。
3試合目は同じくアイルランドのSalthill Devon FC Bに7-0で快勝し、見事グループ1位で予選を突破しました。
夜には再び試合映像を見てミーティングを行い、ポジショニングや守備の連携について話し合いました。選手たちは前日の反省を活かし、確実に成長していく姿を見せてくれました。
ただ、大会初日にはU-14の選手がスライディングタックルを受け、足首の靱帯損傷と腕の骨折という大きな怪我をしてしまいました。救急病院に同行し、応急処置と診断のサポートを行いましたが、本人も本当に悔しそうでした。それでもチーム全体で彼の分まで戦おうという意識が高まり、改めて「仲間の力」を感じる場面でもありました。
大会2日目は準決勝と決勝。
準決勝ではスウェーデンのIFK Stocksund 2に1-1(PK勝ち)で勝利し、決勝戦では同じくIFK Stocksund 1に4-1で勝利!
見事U-12カテゴリーで優勝(16チーム中1位)を達成しました。
選手たちは大会前に「優勝する」と公言しており、その言葉を本当に実現してくれました。
試合ごとに成長し、戦術を理解し、仲間と意見を交わしながら挑戦する姿は本当に頼もしかったです。小学生年代でここまでチーム戦術を理解し、主体的に行動できたのは素晴らしい経験だったと思います。
また、大会中には食事や栄養、体幹トレーニング、ケアの重要性についても話す機会があり、選手たちが「なぜそれが必要なのか」を理解し、実践できたことは大きな収穫でした。怪我をした選手たちにも、怪我の予防と回復プロセスの大切さを伝えることができ、今回の帯同を通して、理学療法士としても改めて多くの学びを得ることができました。
今回のEU-Japan選抜の結果は以下の通りです。
U-12:優勝(1位/16チーム)
U-14:9位/16チーム
U-10:9位/16チーム
U-12の優勝は本当に嬉しい結果でした。
このような貴重な経験をさせていただいたスタッフ、保護者、そして選手たちに心から感謝しています。
来年もまたチームの一員としてサポートできるよう、私自身もさらに成長していきたいと思います。
ドイツでの生活や仕事を通して、税金や制度のこと、スポーツの現場のこと、どちらも日々勉強です。こうして一つ一つ経験を積み重ねながら、これからも皆さんにリアルな「ドイツ生活」をお届けしていきます。
大会ホームページはこちらからご覧いただけます。





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