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【蔵本達也のドイツ社会人留学リポート】Vol.32 ドイツ生活とスポーツサポート 〜健康診断で感じた文化の違いと、2年間支えた女子日本代表選手との別れ〜
スタッフブログ2025/05/23
こんにちは。デュッセルドルフを拠点に、スポーツセラピスト・パーソナルトレーナーとして活動している蔵本達也です。
今回は、最近僕にとって印象深かった2つの出来事について書きたいと思います。
ひとつは、ドイツで健康診断を受けた際に感じた日本との違い。
そしてもうひとつは、約2年間にわたって身体のケアとトレーニングでサポートしてきた女子ハンドボール日本代表選手、佐々木春乃選手とのお別れについてです。
【ドイツで健康診断を受けて感じた、日本との違い】
先日、ドイツで初めて本格的な健康診断を受けました。
僕自身、昔から少し血圧が高めという自覚はあったのですが、特に大きな不調を感じることもなく、日本にいる時はついそのままにしてしまっていました。でも、自分の身体の状態を正しく把握しておくことの大切さを改めて感じ、今回は思い切って検査を受けることに。
ドイツでは「Hausarzt(ハウスアルツト)」と呼ばれるかかりつけ医が基本的な健康管理を担います。日本のように会社や自治体による定期健康診断があるわけではなく、自分で必要なタイミングで医師に相談し、必要な検査を行っていくというスタイルです。
今回は、血圧の測定だけでなく、尿検査、血液検査も含めた一通りのチェックを受けました。その中でやはり血圧が高めという結果が出たため、医師と相談し、念のため心臓のエコー検査(超音波検査)も行ってもらうことになりました。
ドイツの医療機関は予約制で、1人ひとりにしっかり時間をとって診察してくれるところが多く、今回の検査も丁寧に進めていただきました。
結果としては、特に問題なし。ホッとしましたし、改めて自分の健康状態を「数字」や「画像」で確認することの大切さを実感しました。
【ドイツと日本、健康に対する意識の違い】
日本では、年1回の健康診断が義務的に行われていることが多く、ある意味“受け身”な形で健康をチェックする文化があります。一方、ドイツでは「気になったら早めに医師に相談する」という、より能動的なスタイル。
どちらが良いということではなく、それぞれにメリットと課題がありますが、ドイツの「自己管理型」の考え方は、僕自身の健康への向き合い方を改めて見直すきっかけになりました。
これからも、自分の身体としっかり向き合いながら、日々の生活や仕事の中で、健康の大切さを伝えていきたいと思います。
【ハンドボール女子日本代表・佐々木春乃選手とのお別れ】
そしてもうひとつ、大きな出来事がありました。
僕が2023年から約2年間、ケアとトレーニングでサポートしてきた、ハンドボール女子日本代表の佐々木春乃選手が、このたび所属していたドルトムントのクラブを離れ、新しいチームへ移籍することになりました。
彼女との出会いは、彼女自身から「ケアやトレーニングをお願いしたい」と連絡をもらったことがきっかけでした。アスリート本人から直接コンタクトをもらえることはとても光栄で、それだけでも彼女の身体への意識の高さや、自分をより高めたいという姿勢が伝わってきました。
【自宅でも続ける“習慣”こそがプロ意識】
佐々木選手が本当に素晴らしいのは、ただ施術を受けるだけではなく、日々の生活の中で、僕が教えたセルフケアや体幹トレーニングをしっかり取り入れてくれるところです。
練習前や自宅でも、常に身体のケアを怠らず、自分の状態を理解しようとしているその姿勢には、何度も感心させられました。
彼女は過去に大きな怪我を経験したことがあり、その経験があるからこそ、怪我の予防やコンディション管理に対する意識が非常に高く、こちらとしてもとても信頼できる選手でした。
わからないことはすぐに質問してくれたり、「この動きがもう少し良くなりたい」「ここに違和感がある」といった細かいフィードバックを常に共有してくれたことも大きかったです。
その情報があることで、僕としても的確なトレーニングやケアのアドバイスがしやすく、まさに“二人三脚”でやってこれた感覚があります。
【怪我なく2年間、戦い抜いた価値】
ハンドボールは身体への負荷が大きく、接触プレーも多いため、シーズンを通して大きな怪我なく戦い抜くのはとても難しい競技です。
そんな中で彼女が約2年間、安定してパフォーマンスを発揮し続けられたことは、本当に素晴らしいことだと思いますし、少しでもその支えになれたのなら、この仕事をしていて本当に良かったと心から思います。
もちろん、もっとサポートしたかったという気持ちはあります。ですが、彼女が次のステージへと進むのを見送りながら、「これからも怪我なく、さらに大きく成長してほしい」と、心から願っています。
【おわりに】
健康も、アスリートのパフォーマンスも、日々の積み重ねの結果です。
派手に見える試合や競技の裏には、日々の地道なケアやコンディショニングがあり、そしてそれを継続できる力こそが、本当の“プロフェッショナリズム”だと思います。
今回、自分自身の健康診断を通して健康への意識を再確認し、佐々木選手のようなトップアスリートとの関わりを通して、ケアの重要性を改めて実感しました。
これからも、自分の身体に正直に向き合いながら、皆さんの健康とパフォーマンスの向上を全力でサポートしていきたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。



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