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スポーツドクターコラム

No.28「ジャンパー膝の原因はオーバーユース」

2006/02/10

ジャンパー膝



ジャンパー膝とは、バレーボールやバスケットボールなどのジャンプ、着地動作を中心に、サッカーのキック動作、ダッシュなど走る動作を繰り返し行うことによって膝に発生するスポーツ障害です。膝を伸ばすときに使われる大腿四頭筋、膝蓋骨、膝蓋腱、脛骨結節に繰り返して過度の牽引力が加わることによって、オーバーユースを起こすのです。

その主な要因としては、大腿四頭筋の柔軟性低下が指摘されています。大腿四頭筋が固いと、筋肉が運動による負荷を吸収することができないため、膝の各部位により負担がかかってしまうのです。

ジャンパー膝は成長期特有の障害と思われがちですが、成長期を過ぎた選手でも起こります。全日本男子バレーチームのドクターを務める杏林大学の林光俊教授らによると『全日本バレーチームの障害のトップはジャンパー膝で、約32%にも及んだ』そうです。

症状としては、運動時に発生する膝前面の疼痛と典型的な圧痛部位(膝蓋骨下端から膝蓋腱付着部など)、局所の熱感、膨張などがあります。類縁疾患のオスグッド症との違いは、オスグッド症が脛骨結節部の骨の障害であるのに対し、ジャンパー膝は腱や靱帯の障害である点です。

治療法は保存療法を原則とします。初期段階では痛み止めの服用や湿布で治療を行い、熱感が消失した後、超音波治療器や低周波などによる物理療法を用います。さらに最近では、ヒアルロン酸の注入や超音波対外衝撃波を用いることもあるようです。ただ、保存療法で半年以上回復がみられない場合は、手術に至ることもあります。

競技復帰の目安は、圧痛のみならず運動時に感じる痛みも完全に消失してからになります。大腿四頭筋の柔軟性が得られ、尻上がり現象(踵とお尻をつけようとしたときに、大腿四頭筋が伸長されるため疼痛が誘発されるのを防ぐために尻を上げる逃避現象)がなくなったあと、徐々に競技を再開することが大切です。

再発を予防するためには、スポーツ現場で可能な大腿四頭筋の固さのチェックとストレッチ、膝前面のアイシングを徹底しましょう。アイシングはクールダウンの時だけでなく、ウォーミングアップ時にも取り入れてストレッチをしながら冷やすことも効果的です。

ジャンパー膝は運動指導者や選手の知識が乏しく、発症初期に受診をしないケースが多々あります。現在は以前よりも改善されてきましたが、それでも十分とは言えません。慢性化してしまうと回復しにくくなりますから、早期受診を心掛けましょう。




スポーツドクターコラムは整形外科医師 寛田 司スポーツ医療スポーツ障害症状治療について分りやすく解説します。

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