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スポーツドクターコラム

No.24「外傷性の脱臼は最初の治療が大切」

2005/09/10

脱臼



様々なスポーツで起こる脱臼は、関節を形成する骨と骨の関係が完全に逸脱してしまった状態のことを言います。

生まれつき脱臼をしやすい体質の人もいますが、ほとんどの場合は外傷性によるもので、ラグビーやアメフトなど、コンタクトプレーの多いスポーツでしばしばみられます。   
脱臼した箇所は、まず正常な状態に戻さなければなりません。骨と骨が完全に逸脱しているのではなく外れかかった状態である亜脱臼の場合は、自然に元の位置に戻ることも多くあります。   
しかし初めて脱臼した人の場合は、通常自分の力で戻すことは困難です。
正しい整復方法を知らずに無理に戻すと、骨折をしてしまうこともあります。

また初めて脱臼をしたときにきちんと治療を受けておかなければ、それが癖になり反復性脱臼になることも考えられるため、必ず専門医で治療を受けるようにしましょう。何度も脱臼を繰り返しているうちに自分で正常な状態に戻せるようになる人もいますが、これは決して望ましいことではないのです。   

脱臼の治療は整復して終わりではありません。
脱臼をするということは、関節の形が崩れてしまうことでもあるのです。関節の袋や靱帯を損傷していることも多々ありますから、MRIやCTを使った精密検査を行って脱臼の損傷の程度、場所をきちんと確認し、適切な治療を受けるようにしましょう。    
もしすぐに治療を受けることができなかった場合は、サポーターやテーピングで補強しながら、脱臼を誘発する施為を強制しないようにスポーツをすることになります。
ただし、野球では肩、サッカーでは膝のように、その部位を使わなければできない箇所を脱臼してしまうと、手術をしなければならないこともあります。    

サンフレッチェの服部公太が8月の北海道キャンプで右肘を脱臼したことは、ご存知の方も多いでしょう。服部の場合は脱臼と同時に靱帯を傷めてしまっており、私が診断をしたときには患部もかなり腫れあがった状態でした。治療はまず高圧酸素療法で腫れを引かせることから始めました。そしてその腫れが治まったと同時に肘の動きを制限するサポーター作製したのです。サッカーの場合は肘の動きをある程度制限すればプレーすることができます。ですからサポーターをつけて肘関節の動きが十分になった時点で練習に復帰し、脱臼をした日からわずか13日後に試合にも出場しました。服部の場合は驚くべき早さで回復しましたが、適切な治療をすればこのように早期復帰もできる可能性があります。スポーツ特性に応じた対処の仕方をすることが大切なのです。

どのスポーツにおいても指を痛めてしまうと、その後のプレーに重大な影響を及ぼします。どんなケースでも、まず早めに受診することを心掛けましょう。




スポーツドクターコラムは整形外科医師 寛田 司スポーツ医療スポーツ障害症状治療について分りやすく解説します。



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