当院のスポーツ外来は、整形外科診療の一環として、部活動に励む学生から、週末にスポーツを楽しむ社会人、そしてトップアスリートまで、あらゆるレベルの「運動による痛み・ケガ」に対応しています。
単に「痛みをとる」「湿布を貼る」だけの治療ではありません。
私たちは、受傷機転(どのようにケガをしたか)や練習環境、フォームなどを詳しく伺い、「なぜケガをしたのか」という根本原因を突き止めます。
医学的な診断と身体機能の分析に基づき、再発を防ぎ、ケガをする前よりも強い身体で復帰できるようサポートします。
当院のスポーツ診療の特徴
① 精密な画像診断と動作解析
レントゲンによる骨の評価に加え、院内完備のMRIや超音波検査(エコー)を用いて、筋肉・靭帯・軟骨の状態を詳細に確認します。
さらに、医師と理学療法士が連携し、実際のスポーツ動作(走る・跳ぶ・投げる)を確認。患部への負担がどこから来ているのかを医学的な視点で評価します。
② 「身体機能評価(動作スクリーニング)」による現状分析
痛みの原因は、患部だけでなく「身体の使い方の癖」や「柔軟性のアンバランス」にあることが多くあります。
当院では、基本的な動作パターンを行っていただく独自の「身体機能評価テスト(動作スクリーニング)」を実施しています。
これにより、画像診断だけでは分からない身体の「弱点(問題点)」や「強み」を客観的に分析し、ケガのリスク評価や、パフォーマンス向上のための課題を明確にします。
③ 競技特性に合わせた「段階的復帰プログラム」
競技種目やポジションによって、求められる身体機能は異なります。
当院では、画一的なメニューではなく、個々の競技特性と現在の回復レベルに合わせたリハビリプログラムを作成。
「休む期間」と「動かす期間」を明確にし、焦らず確実にパフォーマンスを取り戻すためのロードマップを提示します。
科学的根拠に基づく筋力評価
BIODEX(バイオデックス)
当院では、世界標準の筋力測定装置「BIODEX」を導入しています。
「もう痛くないから大丈夫」という感覚的な判断での復帰は、再受傷の大きなリスクとなります。
- 筋力の数値化:
患側(ケガをした方)と健側(していない方)の筋力差を正確に測定。 - バランスの評価:
大腿四頭筋(太もも前)とハムストリングス(太もも裏)の筋力バランス(H/Q比)を分析。 - 客観的な復帰基準:
などを算出し、安全に復帰できるレベルに達しているかをデータで判定します。
メンターセラピスト制度
リハビリテーションを進める中で、「現在の方針で本当に合っているのか?」「なかなか症状が改善しない」といった不安や疑問を感じることもあるかもしれません。
当院では、担当の理学療法士に加え、経験豊富な「メンターセラピスト」に相談できるセカンドオピニオン体制(予約制)を整えています。
- 現状の方針確認:別の視点から評価を行い、治療方針の妥当性を確認・説明します。
- 多角的なアドバイス:豊富な臨床経験に基づき、新たな視点でのアドバイスやアプローチを提案します。
メンターセラピスト一覧
蛯江 共生 (エグゼクティブメンター|理学療法士)
・車椅子テニス日本代表トレーナー
東谷 年記 (シニアメンター|理学療法士)
・ポールスターピラティス認定インストラクター
・広島ドラゴンフライズU-15トレーナー
吉村 直 (施設メンター|理学療法士)
・FUJIFILM サッカー部トレーナー
石川 雄也 (教育メンター|理学療法士)
・Spine Dynamics療法上級認定セラピスト
・ドイツ筋骨格医学会日本アカデミー認定セラピスト
藤永 智 (教育メンター|理学療法士)
・ドイツ筋骨格医学会日本アカデミー認定インストラクター
・ドイツ筋骨格医学会日本アカデミー認定セラピスト
競技復帰までの流れ
- 1. 問診・診察:
- 受傷状況や練習環境を詳しくヒアリングし、画像診断で状態を評価。
- 2. 急性期治療:
- 痛みや炎症が強い時期は、安静・固定・薬物療法・物理療法で炎症を沈静化。
- 3. 機能回復リハビリ:
- 可動域訓練や、患部外の筋力トレーニングを開始。BIODEXでの測定も実施。
- 4. アスレチックリハビリ:
- 競技動作(ダッシュ、切り返し、投球など)を取り入れたトレーニングへ移行。
- 5. 部分合流~完全復帰:
- 練習への部分的な参加から始め、徐々に強度を上げて完全復帰へ。











